きらめく星と沈黙の月
不機嫌オーラをひしひしと感じる。


「な…なに?」


後ろめたいことなんて何もないはずなのに、無意識に指輪をポケットに隠していた。


「アイツに何か貰ってたろ。何もらったんだよ」


鋭い眼光で私を睨み付けてくる。


なんとなく、指輪のことは碧に知られちゃいけないと思った。


直感にすぎないけど、話さない方がいい。


そう思った。


「…何ももらってないよ。気のせいじゃない?」


指輪を貰ったなんて言ったら、誤解されかねない。


碧にだけは誤解してほしくない。


「……ふーん。ホントかよ」


あの時に似た疑いの眼差しがこちらに向く。


「…ホントだって。てか、私が何貰っても碧には関係ないでしょ?」
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