きらめく星と沈黙の月
「まっ、言われてみればそうだな」


強めの口調で押しきると、碧はすんなり納得してくれた。


「桜、これから大変だね」


「ん?なにが?」


陽菜の顔色は、すでに悪くなってきている。


「もう酔ってきちゃった?大丈夫?」


まだ走り出して1分も経たないけど、このあたりは砂利道。


陽菜にはツラい道だろう。


「それもあるけど、そうじゃなくて」


「…ん?」


陽菜は声を潜めて続ける。


「星矢が桜を好きなのはほぼ間違いないんだけど、星矢本人はその気持ちに気づいてない。だからめんどくさいんだよ」


…何言ってるんだろ、陽菜は。


「碧が気づいてないのに何で陽菜がそんなこと分かるの?勘違いじゃない?」


碧が私を好きだなんて…。


「そんなの、見たらすぐに分かるよ」
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