きらめく星と沈黙の月
いつから二人はこんなに仲が良かったんだろう。


オギはこのこと知ってるの…?


陽菜が浮気をするような子じゃないことは私が1番分かってる。


だからきっと、碧が陽菜のことを一方的に好きなんだ。


なんで陽菜なの…?


なんで私は女として見てもらえないのに、彼氏持ちの陽菜が見てもらえるの…?


陽菜の彼氏は碧の親友だよ……?


なのになんで…?


「トイレ向こうだからいってらっしゃい」


「…はいはい」


─コツ、コツ…


碧の足音が近づいてくる。


隠れなきゃ─。


そう思ったときにはもう遅かった。


「あ…桜子……」


明らかに動揺している顔。


…ホントに陽菜のことが好きなんだ。


「……誕生日に好きな女の子とデートできてよかったね。親友の彼女とデートするなんて、相変わらず勇気あるよね。尊敬しちゃう」


すべての苛立ちをぶつけるかのように嫌みたっぷりに言い、碧を睨み付ける。
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