きらめく星と沈黙の月
陽菜……。


「ホントにごめんね…。私…すごくイライラしてて…。陽菜は悪くないって分かってたのに、八つ当たりしちゃって…」


「いいっていいって。恋ってそんなもんだよ」 


陽菜はそう言ってミルクティを吸い上げる。


「にしても、なんで私よりも星矢に怒るわけ?それが不思議なんだよね」


「だってさー、親友の彼女と出掛けてんだよ?最低じゃん」


私もミックスジュースを吸い上げ、ワケを説明すると、陽菜は大笑いし始めた。


「桜らしいわぁ。ホント、鈍感だなー」


鈍感…?


私はただ、オギの彼女と平気でデートしてたことが許せなかっただけなんだけどな…。


「桜のイライラの正体は嫉妬。それを認めたくないから無意識に違う理由をこじつけて自分を納得させてたのよ」


……。


「それと、昨日のことは蒼士の承諾得てるから安心して」


…そうだったんだ。


そっかそっか…。
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