きらめく星と沈黙の月
「“ありがとう”は星矢に言わなきゃ。健気に桜のことを想ってるんだからさ」


「そうだね。帰ってから直接言う」


電話やメッセージよりも、直接会って謝罪と感謝を伝えなきゃ。


それと…プレゼントもちゃんと選んで渡そう。


プレゼント……。


「あ…。そういえば…陽菜が碧にあげた服って何?」


「あぁ、誕生会に着ていけば?って勧めただけ。せっかくだしカッコいい格好の星矢を桜に見せてあげたいじゃん?うちのお兄ちゃんのおさがりだけどね」


なんだ…。


そんなことだったんだ。


つくづく自分がバカすぎて嫌になる。


「さっ、星矢のプレゼント買いに行ってきな?新しいキャップが欲しいって言ってたよ」


私の沈んだ気持ちを見抜いたのか、陽菜は明るく笑いかけてくれた。


「ありがとう、陽菜」
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