きらめく星と沈黙の月
「ほら、言ったでしょ?結局西高とのトラブルになるのよ」


陽菜がため息をつく。


もうすぐ試合始まるんだけど大丈夫かなぁ…。


「私が行ってくるよ」


野球に精通している陽菜と大雅が試合を見て、私が雑務をする方がいい。


「じゃあ…すみませんが、お願いします」


今にも泣きそうな顔で頭を下げ続けるこの子を見ていると、中学でマネを始めたばかりの頃を思い出す。


こき使われたり、右も左も分からなくてハードな毎日だった。


「私のミスで練習試合がブッキングしてしまって…。それも、こちらから西高に申し込んだんです…。私のミスで巻き込んでしまってごめんなさい…」


西高が押し掛けているという校門まで走りながら、また頭を下げる。
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