きらめく星と沈黙の月
「待てよ!!」


パシッと腕を掴まれ、反動で廊下に転びそうになる。


「離してよ!!碧なんてもう─」


「お前に傷ついて欲しくねぇんだよ!!俺のために桜子が傷つくぐらいなら、自分が傷ついた方がよっぽどマシだ!!!」


─っ!


何よ…それ…。


「俺のことを守りたいだ?ふざけんな!俺がお前を守るんだよ!!」


……っ!!


碧…っ。


「…なんで分かんねぇんだよ…っ。俺は…自分よりもお前が…桜子が…大切なんだよ!」 


「…っ」


そんなこと…っ。


そんなこと言わないでよ……っ。


苦しくなっちゃうじゃん…。


碧のバカ…。


「……」


「……」


廊下に変な空気が流れ、保健室の窓から覗いている大雅と目が合った。
< 388 / 586 >

この作品をシェア

pagetop