きらめく星と沈黙の月
「ついてこないでって言ってるでしょ」


なんとなく予想はしてたけど。


「やっぱ抱きつかれたところ、見てた?」


予想外の質問で言葉につまる。


自分からあの事に触れてくるとは思わなかった。


「…あの時、鈴宮の足元に虫が飛んでたから教えてやっただけなんだ。たぶん、虫が怖かったんだろ。だから、抱きついてきたんだと思う。ホントに恋愛感情とか一切ないから」


また、聞いてもないことをペラペラ、ペラペラ…。


「…そんなに必死に弁解して何がしたいの?それに、恋愛感情はないって言うけど、そんなの分かんないでしょ。鈴宮さんは恋愛感情持ってるかもしれないじゃん」


「……ごめん」


…謝られても困る。


もはや自分が何に怒ってるのかも分からない。


ただただ、モヤモヤして胸が苦しい。
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