きらめく星と沈黙の月
目覚めが悪かったのか、今朝の碧はちょっと機嫌が悪い。


「先行ってて?。私のこと待ってたら遅刻するよ」


「いいよ。待ってるから。1人で怒られるより2人の方がいいだろ?」


碧は怒られ慣れてるから気にならないんだろうけど、私は怒られるのが苦手だ。


それを分かってくれてるのかな。


やっぱり優しいな…。




さっと着替えを済ませて、玄関で待ち構えている碧の後ろにまたがる。


「スピード出すから気をつけてな」


そういい終わるや否や、碧は自転車を急発進させた。


夏からずっとトレーニングしてるだけあって、私を乗せてるのに自転車は安定感抜群だ。


「なんか青春って感じだね!」


「どこがだよ!こっちは必死だってのに」


あと10分以内に着かなかったら遅刻だ。


まぁ…碧と一緒なら怒られてもいいや。


「あー眠っ。寝ていい?」


「ふざけんな、落とすぞ」


無視してくれてもいいのに、わざわざ反応してくれるのが嬉しい。


この爽やかな香りに吹かれると、いつも思うんだ。


この幸せな時間がいつまでも続けばいいのに…と。
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