きらめく星と沈黙の月
**
遅刻スレスレで駆け込んだ教室の雰囲気はいつもと違った。
浮き足立っているというか…ソワソワしてるというか…。
「皆、期待してくれてんだろうな」
ボソッと隣で碧が呟く。
その声は少し低かった。
「期待を裏切るわけにはいかないって考えてるでしょ」
「…まぁ」
やっぱり。
碧らしいな…。
「よっ、碧、桜ちゃん。えらい遅かったやん」
いつも通り元気なのは大雅くらいか。
「お前は相変わらず明るいな」
「そりゃそうやろ。一時間目調理実習やねんから」
いかにも大雅っていう明るさに救われ、私たちの空気が和んでいく気がした。
今日という日はやっぱり特別だ。
大雅がいくらいつも通りに振る舞っていても、発表が近づく午後になると授業どころじゃない。
秀才の碧ですら、当てられた問題に答えられなかった。
私も碧も、陽菜も大雅も、ずーっと時計とにらめっこ。