きらめく星と沈黙の月
「どうするのが賢い選択なのか、よく考えてください」


グラウンドには、思うように動けなくて苦悩する碧の姿がある。


大会が近い今、むやみに碧を傷つけられない。


「…必ず秘密を守ってくれるんでしょうね」


こんなことなら、もっと早い段階で話しておくべきだったのかもしれない。


鈴宮さんの口から聞かされるのと、私自身の口から聞かされるのとじゃ大きな違いがある。


現に今碧は、私なんかのことで調子を乱してる。


バカだよ、碧は。


私のことなんか放っておいて集中すればいいのに。


碧がそんなだから…守りたくなる。


精神面が極端に弱い碧だから。


心優しい碧だから。


自分のプライドなんてどうでもいい。


ただ碧を守るのが私の仕事なんだ。
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