きらめく星と沈黙の月


そう決意して松平くんに会いに行ったが、そこにいたのは随分変わった姿の松平くんだった。


黒だった髪が茶髪になり、ピアスも開いている。


「松平…」


もう野球をするつもりはないのか、ゴミ袋の中にグローブが捨てられている。


変わり果てた部員の姿に、陽菜も動揺を隠せずにいた。


「単刀直入に聞くね。本当に鈴宮さんを襲ったの?それとも口裏を合わせてるだけ?」


松平くんは質問に答えず、家の中に私たちを招き入れる仕草を見せる。


中に入ろうとした私を陽菜が引き止めた。


「中には入らない。ここで答えなさい」


怒りを含んだ目。


その陽菜の目を冷たく眺める松平くん。


二人の間に静かに火花が散る。
< 512 / 586 >

この作品をシェア

pagetop