きらめく星と沈黙の月
泣くな私…っ。


我慢しろ…。


碧を守るためにはこうするしかないんだ…っ。


「あんたねぇ…っ」


震える声が聞こえて目を開けると、陽菜が碧に掴みかかっていた。


「陽菜…っ!ダメだよ、陽菜っ!」


慌てて止めに入る。


陽菜の目は赤く充血していて、うっすら濡れていた。


予想外のできごとだったのか、碧は探るような眼差しで私たちを見てくる。


「…な、もう練習しようや。時間もったいない」


大雅が場を取り繕おうと必死になってくれているのがよく分かる。


そして……。


「必死に頑張って掴み取った甲子園を、部員とマネージャーにぶち壊される気持ちがお前に分かるか?」


碧が深く傷つき、猛烈な怒りに駆られていることも…。


「…俺らの努力は何だったんだよ」


碧……。


どんなに憎まれてもいい。


碧が無事でいてくれるなら、私はどう思われようと構わない。


けど…っ。


「…もう、顔も見たくないから帰ってくれ」


苦しいよ…っ。


碧に憎まれるのはやっぱり苦しいよ…。
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