きらめく星と沈黙の月
「こんなのおかしいよ。昔から桜は自分を犠牲にしすぎなの」


「……好きな人のために自分を犠牲にして何が悪いの?」


碧がどう思っていようと、私は碧が好き。


碧を守りたい。


「…じゃあ聞くけどさ。アイツは自分を犠牲にして桜を守ったことがある?桜が孤立したとき、アイツは助けてくれた?桜のこと、信じてくれた?全部ノーでしょ?なのになんでなの?あんなやつもう放っときなよ」


「…たしかにそうかもしれない。でも、そんなの関係ないんだよ。碧が私を守ってくれなくても、助けてくれなくても、信じてくれなくてもどうでもいいくらい、私は碧が好き。どんなに嫌われてもいいから、碧を守りたいの。陽菜には分かんないよ」


碧が元気に野球をしててくれればそれでいい。


その近くに私の居場所がなくたって、碧の体が元気に動いていればそれでいい。


「それじゃあ桜の気持ちはどうなるの?」


私の気持ち…?


「無実の罪で戦犯扱いされて傷ついて、星矢に冷たくされて傷ついて。桜はいつになったら報われるの?」
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