きらめく星と沈黙の月
目に涙を浮かべて怒ってくれている。


私のために。


でもね、陽菜…。


「報われなくてもいいの…。ホントに、私のことはどうでもいいから…」 


「どうでもよくなんかない…!私、許せないよ。桜をこんなに傷つけてるのに気づかない星矢が許せない…っ」


1滴の雫が机に落ちた。


「そもそも、今回の件で桜を恨むなんて筋違いじゃん…っ」


涙が次々と零れ落ち、次第にクラスメートの視線が私に突き刺さる。


「今度は唯一のお友達の陽菜ちゃんを泣かせちゃったんだ?怖ーい。さすが隠蔽女」


ここぞとばかりに心美が攻撃してくる。


その言葉で笑いが起き、心美は満足げに笑った。


─バンッ


不快な笑いでいっぱいになった教室に、大きな音が響き渡る。
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