きらめく星と沈黙の月

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「………」


「………」


「………」


よりによって碧と日直になってしまった。


そして、よりによって日直二人で職員室前に来いと呼ばれてしまった。


職員室までの道のりが異様に長く感じる。


「……なんで」


鉛のように重い沈黙を碧が裂いた。


「なんで隠蔽しようとしたわけ」


トゲもないけど抑揚もない“無”のトーン。


陽菜から聞いた話じゃ、部活中も“無”みたいだ。


事件が碧の活力を吸いとってしまった。


「……なんでって聞かれても…」


そもそも私は隠蔽を強要していない。


でも……。


あの時、表沙汰にしようとは思わなかった。


鈴宮さんが黙ってるって言ったことに対して、強く反対しなかった。


隠蔽に加担したのは事実なのかもしれない。
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