きらめく星と沈黙の月
「ごめんなさい」


桜子の謝罪は何回聞いただろう。


正式な処分が決まるまでの間、すでに何度も謝られている。


本当に申し訳ないと思ってそうなのが、余計に気に食わない。


申し訳ないと思う気持ちがあるのなら、はじめからやらないでほしかった。


後から謝られたって虚しいだけ。


「ごめんなさい…っ」


…何度謝れば気が済むんだ。


「もういいよ」


イライラする。


悪いのは自分なのに、涙声になって謝ってる姿を見ると腹が立つ。


「いくら謝られたって甲子園には行けない」


そう言ったとき、藍沢から鋭い眼光が飛んできた。


なんで藍沢は桜子を庇うんだろう。


桜子は強要を認めた。


それなのに、なんで?


中学の頃から一緒に歩んできた藍沢に不信感が募っていく。
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