きらめく星と沈黙の月
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大雅の言う通り、気持ちを切り換えて練習すべきなのは分かってる。
けど、突然夢の舞台が消えた虚無感はそう簡単に拭えない。
「いつまでボーッとしとんねん!いい加減切り換えんかい」
「……悪い」
あんなに好きだった野球も、興味が沸かないし関わりたくないと感じる。
「…もう、どうしようもないことやねんから」
「わかってる」
他の奴らが、何とか切り換えて乗り越えようとしているのもちゃんと分かってる。
俺だけが取り残されて、終わったことに執着して。
ダセェなって思ったりもする。
「それと、いい加減桜ちゃんと口利いたりぃな」
大雅はそう言いながら旧校舎を見上げた。