きらめく星と沈黙の月
「…お前のせいだ」


強要なんかするから─っ。


「…お前のせいで甲子園に行けなくなった」


「……っ」


桜子の目から涙が零れる。


「…泣きたいのはこっちなんだよ」


あんなに頑張って勝ち取った甲子園への切符。


なんでクソみたいな不祥事で破られなきゃなんねぇんだよ。


「…許せねぇよ。俺…お前のことも、松平のことも、許せねぇよ」


バタン…


扉が閉まる前、最後に見えたのは泣き崩れる桜子の姿だった。
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