きらめく星と沈黙の月
「どうして?碧は何も悪くないんだよ?」


全部私が勝手にやったこと。


勝手にやって、勝手に傷ついただけ。


「桜子はずっと俺のことを支えてくれてた。それなのに俺は、気づいてやれなかった。その上、思い切り傷つけた」


碧は申し訳なさそうに眉尻を下げる。


「何年も桜子と一緒にいるのに、なんで気づかなかったんだろうな。自分のことばかり考えて、桜子のことを考えなかった。藍沢の言う通り、幼なじみ失格だ」


「そんなことない!!そんなこと言わないでよ碧…」


私が必死になって守ろうとしたものを否定しないで…。


私は碧だから守りたかった。


「碧が一生懸命頑張ってるのを知ってたから。碧の心が脆いことを知ってたから。碧が誰よりも優しいことを知ってるから。だから私は碧を守りたいと思った。私にとってそんな碧は、大切な存在なんだよ…?」


大切で、大好きな存在。
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