きらめく星と沈黙の月
「全然ダメじゃないよ!むしろ嬉しいよっ!!」


碧からそんな言葉が聞けるなんて…夢にも思わなかった。


でも…。


「甲子園が終わってからなの…?甲子園に行けなかったら付き合えないの…?」


私は…今すぐにでも恋人同士になりたいと思ってるよ…?


碧は違うのかな…。


「言ったろ?絶対に甲子園に行くって」


碧…。


「信じていいんだよね…?」


「あぁ。それに、野球を辞めるまでは彼女は作らないって約束したんだから、守らせて」


そんな約束……。


どうでもいいけど…でもきっと、碧にとっては守りたい約束なんだろうな……。


「しょうがないなぁ。碧のしょうもないプライド、守ってあげる。その代わり、予選で負けたら承知しないよっ」


わざとおどけて言うと、桜子らしいなと笑ってくれた。





春の予感がする3月の空の下、私たちは新たな約束を交わした。


きっと果たしてくれるであろう、固い約束を─…。
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