きらめく星と沈黙の月



陽菜の暴露ですべてが明らかになり、状況は大きく変わった。


私と碧が教室に戻ると、真っ先に話しかけてきたのは意外な人物だった。


「ごめんなさい!よく知りもしないで責めたりして、本当にごめんなさい」


「…え……」


心美が頭を下げると、理彩やその友達も頭を下げてくれたんだ。


「…別にいいよ…。何も知らなかった皆からすれば、私は悪者だったんだから。仕方ないよ。だから頭上げて?」


こうやってクラスメートの誤解が解けたのも、陽菜のおかげだ。


「陽菜、本当にありがとう」


「俺からも。本当に感謝してる」


思いが伝わるように、丁寧にゆっくり話す。


陽菜は照れてしまったのか、そっぽを向いてしまった。


「ホントに感謝してるなら、もう一度甲子園目指しなさいよ?わかった?」


陽菜らしい言葉。


「当たりめーだろ?」


碧らしい言葉。


「よっしゃ!今日から藤北再始動や!俺らなら絶対甲子園行ける。せやろ?」


大雅らしい言葉。




夏に向けて
止まりかけた時が再び動き出した─
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