きらめく星と沈黙の月
エピローグ
「おめでとう、碧。それから…お疲れ様」
夏が終わった。
甲子園で繰り広げられた死闘。
「ありがとう、桜子」
清々しい夜空の下、グラウンドの入り口に肩を並べて座る。
解散式が終わったあと、ほとんどのメンバーは帰ってしまった。
残っているのは私と碧だけ。
「…華々しい引退のはずなのに、なんか寂しいな」
「そうだね……」
白球を追っていた毎日はもう訪れない。
そう思うと寂しい。
「でも…完全燃焼…でしょ?」
「まぁな」
甲子園初出場にして初優勝だ。
不完全燃焼なはずがない。
この男はとことん凄い男だ。
魔物が住んでいるという甲子園で、怖じけずに自分のプレーを突き通した。
そして、優勝までかっさらっていった。