きらめく星と沈黙の月
「なんだよ。怖ぇ女だな」


ポンッと私の机に投げられた頭痛薬。


優しく、軽く、隣の席からふわっと投げるように置かれた頭痛薬。


……机の上に置かれた白い紙。


そこに今の頭痛薬と同じ弧を描いて投げ込まれた黒ボールペン。


中1のあの日がフラッシュバックする。


「…私が野球の試合見ていいんだ?」


「え?」


…退部届。


誰もいない空き教室で、碧と二人きり。


私の目の前には退部届。


隣には碧が立っている。


「私は、野球に関わる資格がないんでしょ。なのに碧が誘うなんて珍しいなと思って」


嫌な思い出を掻き消すようにニッコリ笑いかけると、碧は微妙な顔で前を向いてしまった。
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