周王 龍巳を怒らせるな
ソファで、散々キス責めにあった穂華。
そして今は、ベットに横になってからも抱き締められ、またキス責めにあっている。

「たっちゃん…もう、寝よ?
くすぐったいよ……」
「んー、もう少し……
穂ちゃんが可愛くてしかたがないんだもん!」
「もう…(笑)」
尚もキス責めが止まらない。
少し疲れてきた、穂華。

そんな時だった。

ブーッブーッ……と、穂華のスマホが震えた。
「ん、たっちゃん電話みたい。
離して?」
「えータイミング悪いなぁ。
それに、もう…夜の10時だよ!非常識だね!」
不服そうに、口唇を離す龍巳。

穂華がスマホの画面を確認する。
━━━━━━!!
穂華の表情が強張るのがわかった。

「穂ちゃん?
どうしたの?」
「う、ううん」
「出ないの?
まぁ…こんな時間にかけてくる相手が悪いけど!」
「会社の先輩。
大丈夫。明日会社で聞くから!」

「なんか心配事あるよね?
聞かせて?僕にできることなら、何でもするよ?
ね?話して?穂ちゃん」
「………」
「穂ちゃん?」
「とても厳しい先輩社員さんがいるの…」
「うん」
「私の自意識過剰かもしれないけど、目の敵にされててよく仕事押しつけられるの」
「へぇー」
穂華は気づいてないが、龍巳の雰囲気が変わる。

「たぶんこの電話も、明日朝一番に書類の整理をしておけって連絡してきたんじゃないかな?」
「そう…酷いね…
大丈夫?穂ちゃん」
「うん、たっちゃんと付き合うまではいつも卑屈になってたんだけど、最近はたっちゃんのおかげで頑張れるんだよ!
だから、大丈夫だよ!!」

ニコッと笑い、龍巳を見る穂華だった。

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