周王 龍巳を怒らせるな
お願い全部、叶えてあげる
ここは、龍巳の会社・周王ジュエリー本社内。
社長室━━━━━━
龍巳は昨日の穂華の姿を、思い出していた。
“大丈夫だよ!”と笑っていた穂華。
その健気さが、龍巳の心を締め付けていた。
穂華のことが、愛しくて堪らない。
その穂華を苦しませている人間がいる。
「許せないな……」
龍巳は煙草を一本咥えたまま火をつけずに、椅子にもたれて天井を見上げていた。
黒い雰囲気を纏う、龍巳。
そこへ、秘書の冴島が入ってきた。
「失礼します、龍巳様」
「………」
「龍巳様?」
「は?何?」
「え、いや…申し訳ありません!
今日の予定を……」
龍巳の雰囲気に怯え、恐る恐る予定を書いた書類を渡す冴島。
「ねぇ」
「はい」
「厘を呼んで」
「あ、はい。
畏まりました」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
数十分後、厘が社長室に現れた。
「キング、失礼します」
「ごめんね、急に呼び出して」
「いえ、また消去の依頼ですか?」
「うん」
「誰ですか?」
「これです」
隣にひかえていた冴島が、一枚の書類を厘に渡した。
「この女ですね。
了解です。今日中にやっておきます」
「ん。
よろしく」
厘が社長室を出る。
続くように、冴島も出た。
「龍巳様、失礼しました」
ドアを閉め、一度ため息をつく冴島。
「ふぅー」
「大丈夫?冴島」
「はい。もう何年も秘書として仕えてるのに、なかなかあの地獄のような空間に慣れない」
「だよね。ほんっと…キングって凄いよな…
あの雰囲気は、俺が出逢った中で一番恐ろしい」
「厘さんだって、十分恐ろしいですよ?」
社長室━━━━━━
龍巳は昨日の穂華の姿を、思い出していた。
“大丈夫だよ!”と笑っていた穂華。
その健気さが、龍巳の心を締め付けていた。
穂華のことが、愛しくて堪らない。
その穂華を苦しませている人間がいる。
「許せないな……」
龍巳は煙草を一本咥えたまま火をつけずに、椅子にもたれて天井を見上げていた。
黒い雰囲気を纏う、龍巳。
そこへ、秘書の冴島が入ってきた。
「失礼します、龍巳様」
「………」
「龍巳様?」
「は?何?」
「え、いや…申し訳ありません!
今日の予定を……」
龍巳の雰囲気に怯え、恐る恐る予定を書いた書類を渡す冴島。
「ねぇ」
「はい」
「厘を呼んで」
「あ、はい。
畏まりました」
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数十分後、厘が社長室に現れた。
「キング、失礼します」
「ごめんね、急に呼び出して」
「いえ、また消去の依頼ですか?」
「うん」
「誰ですか?」
「これです」
隣にひかえていた冴島が、一枚の書類を厘に渡した。
「この女ですね。
了解です。今日中にやっておきます」
「ん。
よろしく」
厘が社長室を出る。
続くように、冴島も出た。
「龍巳様、失礼しました」
ドアを閉め、一度ため息をつく冴島。
「ふぅー」
「大丈夫?冴島」
「はい。もう何年も秘書として仕えてるのに、なかなかあの地獄のような空間に慣れない」
「だよね。ほんっと…キングって凄いよな…
あの雰囲気は、俺が出逢った中で一番恐ろしい」
「厘さんだって、十分恐ろしいですよ?」