周王 龍巳を怒らせるな
止まらない
「穂ちゃん…腰浮かせて?」
「うん…」
ゆっくり腰を浮かせた、穂華。

龍巳がスルッと、穂華の下着を脱がした。
「穂ちゃん、力抜いてね…」
「うん…
━━━━━━!!
んぁ…あ……あ…んぁぁ…」
「穂ちゃ…大好き……」
「たっちゃん……好き…たっちゃん…」

ベットのスプリングの音と穂華の甘い声、お互いの名前を呼ぶ声が響く寝室。
何度も…何度も果てていく。

龍巳は穂華を抱き始めると、一度では終わらない。
一度では、足りない。
好きすぎて、穂華を想うだけで目頭が熱くなる。
好きすぎて、胸が抉られるように痛む。

こんな、窒息しそうな想い。
それを夢中で穂華を抱くことで、発散しているのかもしれない。
だから、止まらない。

「穂ちゃん」
「ん?」
「今、何…考えてる?」
「たっちゃんのこと」
「ほんと?」
「うん…今日プレゼントしたアンクレットだけど……」
「うん」
「ほんとは去年の商品じゃなくて、今年流行りのをプレゼントしたかったの。
でも、私じゃ手が出なくて……ごめんね…」
「そんな…謝んないでよ…!
嬉しかったよ!穂ちゃんが僕の為に選んで買ってくれたこと…」
腕枕をしている、龍巳。
反対の手で、穂華の頭を撫でて言った。

「たっちゃん、人を好きになるって苦しいね……
ほんとはたっちゃんの為に色んなことしたいのに、私が力不足でできない」
「穂ちゃんは、僕にもったいない人だよ」
「えーそんなことないよぉ」
「そうなんだよ……」

龍巳の切なそうな表情。
穂華はその何とも言えない表情に、これ以上何も言えなくなったのだった。
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