周王 龍巳を怒らせるな

好きなんだ…本気で…

｢てめぇ…｣
｢は？また？
ほんっとに、頭おかしいじゃないの？
初対面の人間にてめぇ呼ばわりされる覚えないの！｣

龍巳は煙草を取り出し、咥えて火をつけた。

俊と圭織が後ろ手に縛られ、地面に座らされていた。
｢厘｣
｢はい｣
｢好きにしていいよ｣
｢はい。
どうされたい？
殴り殺しか、水責め殺し、蹴り殺し。
好きなの選べよ……｣
｢あんた、誰？｣
｢んー秘密！｣
｢は？｣
｢早く、選べよ！
俺も忙しいんだよ！
キングの命令だから、来てあげたんだよ！
楽しませてよ！｣

｢離して！！私は関係ないわよ！｣
｢は？
コイツの彼女なんでしょ？
関係あんじゃん！
てか、黙れ！雌！俺はコイツと話してる｣
ゴッ━━━━！！！
頭を殴られ、気絶する圭織。

｢は？お前………｣
｢ん？どうした？急におとなしくなって……｣

｢ねぇ…早く決めて？
穂ちゃんが起きるかもしれないから、僕…早く帰りたいんだよ｣
｢うがぁぁ……！！！｣
ジュッと音がして、龍巳が俊の頬に煙草を押しつけた。

｢離せよ！！
お前等、後から覚えておけよ！！
ぜってぇー、殺してやる！！｣

｢フッ…！｣
｢プッ…！｣
龍巳と厘が笑う。

｢なんだよ！？｣
｢お前“後から”があると思ってんの？｣
｢それに、君が消えたら忘れるから覚えられないよ｣
｢え━━━マジかよ……！？｣
明らかに動揺しだした、俊。

｢あーもう！俺は忙しいから、好きにするから！｣
そう言って、厘がゴン━-━！！と俊の顔を殴った。

それを皮切りに、厘はひたすら殴り続けたのだ。