これがリアルな恋愛事情〜好きの形はひとつじゃない〜
第1章

どうやら嫌われてはないみたい



入学して3ヶ月がたち、それぞれのグループも決まってきた(ころ)。私は(おさな)なじみとその友達の3人でいることが当たり前になってきた。


女の子の友達が上手く出来なくて幼なじみの光輝(こうき)に引っ付いていたらこうなったわけだけど、その友達っていうのが(きし)くん。光輝は朔翔(さくと)って呼んでるけど、私にはまだちょっと名前では呼べない。だって、光輝と仲はいいけど、私と仲がいい訳では無い。正直いうと、なんだか私には心を開いてないような興味(きょうみ)が無いような?感じだ。


そんなこんなで過ごしてきたわけだけど早速ながらもうすぐ期末テスト。図書室で3人でテスト勉強中だ。


「なあ環奈(かんな)、ここどうすんの?」

横からニョキっと現れた光輝は、数学の教科書を指をさしながら聞いてきた。急に間近に現れた顔に少しびっくりして後ずさる。

「ここはこの法則を使って解くんだよ」

数学が得意な私は、昔からよく光輝に頼りにされていた。逆に私は歴史とかが苦手で得意な光輝に覚え方をよく教えて(もら)った。


「おお!サンキュー」


私の横で必死に数学に向き合っている真面目な光輝。真剣に勉強する姿が可愛くてチラチラ横を見てしまう。
またその横で勉強を黙々(もくもく)としている岸くん。なんだか、話しかけにくい人。未だに掴めない。壁を感じる。光輝とは普通に喋るくせになー。せっかくだから仲良くしたいのになー。


私もなんだかんだで集中して、授業で配られたテスト範囲の英語のテキストを終わらせた。
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