これがリアルな恋愛事情〜好きの形はひとつじゃない〜
「いやぁさ、部活のマネージャーなんだけどさ」
と言いながら、嬉しそうに顔を緩ませてる光輝。
すっごい嬉しそうだ。
そりゃあ、付き合えたら嬉しいものだよね。どっちから告ったんだろう。知りたいけど聞きたくない。
「その話もうよくねー?で、何買おうと思ってんだよ、プレゼント」
と、岸くんが惚気話を遮るように言った。
「え?あ、あぁ、それが何選んだらいいかさっっぱりわっかんねぇんだよ。女子にプレゼントとか、環奈くらいしかあげた事ねーし」
と言いながら、私の方を見る。
なに、私に彼女のプレゼント選び付き合えっての?
変な気持ちだ
変な気持ちだ
変な気持ちだ。
胸がざわつく。
やっぱり光輝のこと好きってこと?
彼女に嫉妬してる?、私
それとも独占欲?
もうわかんないけど、嫌だって心が叫ぶ。
けど、そんな気持ち出しちゃダメなんだ。今までそうしてきたし、今更私光輝が好きだとかなんて言えるはずなくて、そんなの余計に今の関係壊すだけでしょ?
光輝が彼女に取られるのが嫌なんだ。
私の光輝なのに。
そう思う私は心が狭いのかな?
あーもう!
何も考えないでいよ。
「プレゼントか、貰えたらなんでも嬉しいんじゃない?」
そう言うのがやっとだった。
電車を降りて、プレゼント選びに出かけた。