これがリアルな恋愛事情〜好きの形はひとつじゃない〜
暫くすると光輝が、
「さて、そろそろ帰るか」
7月だとまだ外は明るいけど、時間は既に19時に近づいていた。家はそんなに遠くはないけど集中しすぎたな。3人とも真面目かってね。
「そうだね。帰ろう」
私も荷物をまとめて帰る準備をする。
「朔翔、なんかご飯食べてかね?腹減ったーー。環奈も行く?」
「俺も腹減ったー。いこいこ」
みんな行くのかー。なら私だって、
「私も、行く!」
急いでママにご飯食べていくってLINEをした。もっと早く教えてよーって言われたけど、仕方ないよね!許してママ!
「ちゃんと環ママに連絡したか?」
※環奈のママ
「今ちょうどした!もっと早く教えてーって言われた笑」
「別に無理してくることないけど?」
なんか来なくてもいいのにって言われているようでムカつく!
「そりゃあ行くもん!私だけ除け者なんてやーだよ」
「いやいや、そんな事は言ってないだろー?」
まあ、わかってるけど、そんなこと言う人じゃないって。ノリだもんノリ!
「早く行こー!何食べようか」
そんなやり取りを無言で聞いてる岸くん。私は岸くんに目線をやった。
「岸くんもはやくいこ!」
と、声をかけてみた。けど、私を見てすぐ目線を外してスタスタと1人で歩いていった。
なんなのよ、あれ!私なんかした?気に食わなくてムカつく。何とか会話がしたい、そう思うのに壁を作られる。嫌われていると言うよりは興味が全くない。やっぱりそんな感じ。くーーっそーーー!
今時こんな、大人ぶった?男子いるんだね!
「まあまあ、環奈怒んなよ!あいつは嫌ってるわけじゃねーよ!多分」
「はぁ、別にどうでもいいや、いこー」
別にどうでもいい、
とは思ってなかったけど、なんとなく、気にしていることを光輝に言うこともないかなって思ったから敢えて気にしてない振りをした。