これがリアルな恋愛事情〜好きの形はひとつじゃない〜



「岸くんも勉強しに来たの?」



“最近変じゃない?”という言葉がまるで聞こえなかったように言葉を返した。



「うん。1人で教室から出てった佐山さんに着いて来たんだけど、俺も勉強しよっかな〜」



後つけてきてたの?全然気が付かなかった。



少し間を置いて放たれた言葉に動揺を隠した。



「で、光輝がそんなに好きだったんだ?」



「んなっ!べ、別にそんなんじゃないからっ」



図書室だし、大声は出せない。小声で否定した。



岸くんにはバレてたってこと?




「ふーん。ま、別にどうでもいいんだけどさ。ギクシャクされると俺気使わなきゃじゃん?面倒じゃん」



もちろんそうじゃないって、私を心配してきたわけないよなって思ったけどさ、ほんとにそうだったんだって少しムカついた。



「別にそんな、ギクシャクなんかしてないし気使う必要ないよ?」



笑顔を作ってそう言った。



「俺が知ったように言うのもなんだけどさ、あんたの方が長い付き合いなわけだし。あいつは相当な鈍感野郎だけど良い奴なの知ってるでしょ?
佐山さんが好きになるのもわからんでもないけどさ、彼女が出来たからって光輝があんたと縁を切ると思うか?邪魔者扱いしたか?
してないよね?そんなことでモヤモヤするな、な?わかったかこら」



< 23 / 24 >

この作品をシェア

pagetop