眩しい輝きに惹かれて

  「健斗きいて。俺さ、このままじゃ俺たち上には上がれないと思うんだ」

 いつも明るい浩が真剣な表情で話す。

 普段の浩は基本明るいから少し驚いた。

 「俺はbrightをもっと有名にしたい。ここで終わらせるのは嫌だっ!」

 「そこで俺は考えたんだ、今のbrightに足りないものは何なんだろうかってな」

 「そんで出てきたのが美奈ちゃん、君だ。君の歌声が俺たちbrightのこれからを握っている」

 浩のその言葉に嘘はなく一言一言全て真剣だった。

 真っ直ぐに美奈を見つめる浩。

 浩は何度も美奈の歌を聞いた事がある。

 俺の家に何度も遊びに来た事があるからだ。
 
 浩は本気だ。「美奈ちゃんさえ、良ければね」と笑顔で言いながらその瞳の奥は笑ってはいなかった。
 
< 12 / 25 >

この作品をシェア

pagetop