眩しい輝きに惹かれて
終わった。浩も俺も美奈も3人共そう思った。けど、まだ終わった訳ではなかったんだ。
「言っとくけど私は奏の歌声はちゃんと評価してるわよ」
「ただ、アンタ達が1番わかってると思うけどこのグループに女の子は必要ないの!」
キッと鋭い目つきで俺たちを睨む社長は正直怖い。だが「でもね、奏の歌声にはbrightがある。アンタ達と同じ眩しさがあるのよ」
そう言った社長の声はオーディションで俺たちに言った時と同じぐらい穏やかで優しい声質だった。
「良い?もし、奏を本気でグループに入れたいなら絶対にばれない様にしなさい。アンタ達がこの子を守るのよ、そしてバレたらbrightは解散。それがこの子がbrightに入る条件」
そう言いながら「私からはもう話す事はないわ。後は好きにして」と部屋を後にする。
薄々自覚はして居た。自分は社長に惹かれてるんじゃないかと。でも、まだ俺は恋が良くわからないんだ。20歳になっても本気で誰かを好きになった事ないから。
カッコ悪いだろ、俺って。