眩しい輝きに惹かれて
俺はそんな彼女が心の何処かで羨ましかった。
ぼんやりと高校に入った頃、親父から入学のプレゼントで買って貰ったギターを抱える。
サプライズだった。親父はこういう事をする人じゃなかったのに。だから余計に嬉しかった。普段口数の少ないそんな親父が俺に高校の制服を初めて袖に通してる時に「壊すなよ」
ただ一言。それだけ言いくれたギターだ。
歌を歌うのは俺も好きだったんだ。
親父もそれを知ってた様だ。
俺がずっと彼女の歌を聴いて育ってきたから。
だから俺は友達に学校帰りに『芸能界に入ってアイドル目指そうぜ!』って言われた時に少し興味を持って承諾した。
しかし、それが間違えなのだろうか。
芸能事務所のアイドル発掘オーディションには友達と一緒に受かった。
そこまで聞けば順風満帆に聞こえるかもしれない。
妹が『私も入りたい』言うまでは。