天敵御曹司と今日から子作りはじめます~愛され妊活婚~
鼻息荒く返すと、彼はふっと笑った。


「ところで小暮さんは、どんな塾に通っていらっしゃったんですか?やっぱりうちの塾ですか?」


最難関の国立大学に難なく合格したという噂の彼の高校時代に興味がある。

成績下位の生徒への理解があるようだけど、おそらく彼はどこでも上位でコンプレックスなんてなかったはずだ。


「俺、塾には行ってないんだよ」
「は?家庭教師?」
「ううん、独学」


目が点になるというのはこういうことを言うんだ。


「バカな質問でした。すみません」

「いや。俺、集団行動が苦手で。なんでもひとりでやりたがる生意気坊主だったんだよ」

「できればいいじゃないですか」


生意気だろうなんだろうが、塾代もかけずに頂点の大学に入学するなんて、私が親だったらうれし涙を流している。


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