俺、あなたのリアコです!6
「みんなで最後にblessing歌えたの嬉しかったな。アンコールでstepperを歌ったのも楽しかった!」

春燕がそう言い、「みんな盛り上がってたよな」とデイジーたちも頷く。確かに、あの時は一番盛り上がっていたかもしれない。

「みんなでさ、動画投稿してみない?stepperとか歌ってさ」

俺がそう提案すると、「それいいね!」と真冬が言う。そして、琴葉ちゃんも「またみんなで何を歌うか話し合いましょう」と笑う。

それから話しているうちに時間が経って、俺は何となく外の空気が吸いたくなってしまった。靴を履いてバルコニーへと向かう。

「ふぅ……」

涼しい夜風に当たり、息を吐く。目の前に見える夜景が綺麗だ。ライブ後の最高のプレゼントだね。

「月斗さん」

その声を聞くと、落ち着いていたはずの心がドキッと音を立て始める。振り返ればいつからいたのか、琴葉ちゃんが立っていた。髪が夜風に揺れて、月明かりに儚く照らされている。
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