魔法の恋の行方・わがままな使い魔(シリーズ2 クラリスとアンバー)
<平原の穴ぼこ・17時30分>
マントの中で
体をくっつけている二人は、
激流に飲み込まれそうな
木の葉のように感じられる。
アンバーは必死で考えた。
「その・・
君は魔法が使えるじゃないか・・」
クラリスは答えた。
「あんなもの、役にたたないわ。
道を閉じたり、開けたり、
色を変えたり・・そんなもんよ」
クラリスがふと、
思い出したように顔をあげ、
アンバーを見た。
「アンバー、
どうしてもお願いがあるの・・
最後のお願い」
「なに・・?」
「ミエルの心臓を返してあげて!
ミエルをあなたの国から
解放してあげて・・
これは
主人である、あなたしかできない
から・・」
アンバーをまっすぐに見つめる
クラリスの瞳は、
うす暗くても輝きを見せる。
まるで、
ろうそくが消える、最後の瞬間の
輝き・・
「イーディスはあんな奴だけど、
心からミエルを愛しているの。
もし、
ミエルに何かあったら、
イーディスは手段を問わないわ。
アンバー、あなたが一番危険な目に合う・・」
アンバーは息をのんだ。
確かに・・
これは脅しではない・・
「いいよ、問題ない。
ミエルだって、父上が強制的に
つけたエルフだから。
今は僕が主だけど、
この交流会が終われば
父上に返すことになる。
だから、今なら、
僕の判断でミエルに心臓を返すことができる」
「よかったぁ」
クラリスは心から、ほっとしたように笑顔になった。
「イーディスには幸せになって
ほしいの。ミエルにもね」
アンバーは
自分の首から金の鎖をはずした。
鎖の先には
グスタフ皇国の紋章をかたどった
ペンダント、
次期後継者のみが持つ、美しい宝石が、中央に埋め込まれている。
そして、
クラリスの手を取り、ペンダントをその上に置いた。
「約束は必ず果たす。これが誓いだ。
「約束が果たされるまで、
クラリス、君に持っていて欲しい。
終わったら返してくれればいい」
クラリスはそのペンダントを見て、
「だめよっ!こんな大切なもの!
人にわたしちゃ・・」
アンバーは力を込めて、クラリスを抱き寄せた。
「いいんだ。
僕が君に持っていて欲しいと
思っているのだから」
何かできることが、きっとあるはずだ。
魔女の国を消さないために・・
僕と君が協力すれば・・」
「・・・・・」
クラリスは何も言わなかった。
が、その手には
しっかり紋章入りのペンダントが
握られていた。
遠くで犬の吠え声が聞こえる。
「おーい」
誰かが叫んでいる。
やっと、助けが来た。
穴から救助された時にも、
イーディスはいなかった。
クラリスは理解した。
結果を出すためには、
あいつは手段を選ばない。
すべてあいつが仕組んだのだ・・
何もかも!
マントの中で
体をくっつけている二人は、
激流に飲み込まれそうな
木の葉のように感じられる。
アンバーは必死で考えた。
「その・・
君は魔法が使えるじゃないか・・」
クラリスは答えた。
「あんなもの、役にたたないわ。
道を閉じたり、開けたり、
色を変えたり・・そんなもんよ」
クラリスがふと、
思い出したように顔をあげ、
アンバーを見た。
「アンバー、
どうしてもお願いがあるの・・
最後のお願い」
「なに・・?」
「ミエルの心臓を返してあげて!
ミエルをあなたの国から
解放してあげて・・
これは
主人である、あなたしかできない
から・・」
アンバーをまっすぐに見つめる
クラリスの瞳は、
うす暗くても輝きを見せる。
まるで、
ろうそくが消える、最後の瞬間の
輝き・・
「イーディスはあんな奴だけど、
心からミエルを愛しているの。
もし、
ミエルに何かあったら、
イーディスは手段を問わないわ。
アンバー、あなたが一番危険な目に合う・・」
アンバーは息をのんだ。
確かに・・
これは脅しではない・・
「いいよ、問題ない。
ミエルだって、父上が強制的に
つけたエルフだから。
今は僕が主だけど、
この交流会が終われば
父上に返すことになる。
だから、今なら、
僕の判断でミエルに心臓を返すことができる」
「よかったぁ」
クラリスは心から、ほっとしたように笑顔になった。
「イーディスには幸せになって
ほしいの。ミエルにもね」
アンバーは
自分の首から金の鎖をはずした。
鎖の先には
グスタフ皇国の紋章をかたどった
ペンダント、
次期後継者のみが持つ、美しい宝石が、中央に埋め込まれている。
そして、
クラリスの手を取り、ペンダントをその上に置いた。
「約束は必ず果たす。これが誓いだ。
「約束が果たされるまで、
クラリス、君に持っていて欲しい。
終わったら返してくれればいい」
クラリスはそのペンダントを見て、
「だめよっ!こんな大切なもの!
人にわたしちゃ・・」
アンバーは力を込めて、クラリスを抱き寄せた。
「いいんだ。
僕が君に持っていて欲しいと
思っているのだから」
何かできることが、きっとあるはずだ。
魔女の国を消さないために・・
僕と君が協力すれば・・」
「・・・・・」
クラリスは何も言わなかった。
が、その手には
しっかり紋章入りのペンダントが
握られていた。
遠くで犬の吠え声が聞こえる。
「おーい」
誰かが叫んでいる。
やっと、助けが来た。
穴から救助された時にも、
イーディスはいなかった。
クラリスは理解した。
結果を出すためには、
あいつは手段を選ばない。
すべてあいつが仕組んだのだ・・
何もかも!