魔法の恋の行方・わがままな使い魔(シリーズ2 クラリスとアンバー)
<小高い丘の上・16時>
クラリスは
小高い丘の上に立っていた。
ここからはグスタフ皇国の街が
よく見える。
そして王宮も。
もう少しで暗い闇が落ちる。
ペンダントを返すには、
フクロウを使うのが一番だろう。
彼らは夜目が効く。
アンバーは
ちゃんと約束を果たしてくれた。
イーディスの
あのとろけるような笑顔・・
かなりむかつくが・・!
これも<仮>主としての務めだと思う。
グランビア家のためにも。
私の周りの人が、
幸福になってくれれば、
私も嬉しい。
クラリスは
胸からペンダントをはずした。
ちゃんという事をきく
フクロウを選ばねばならない。
とても大切な物を
運んでもらうのだから・・
クラリスの後ろで
枯れ枝を踏む音がした。
「クラリス・・
まだそれは返さなくていい・・」
アンバーは
ゆっくりとクラリスのほうに
近づいた。
クラリスは少し戸惑いながらも、
アンバーを見て言った。
「だって、
約束を果たしてくれたじゃない。
ありがとう。
私も<仮>主としての務めを果たせたわ」
クラリスはペンダントを、
アンバーに差し出した。
アンバーは
その手を自分の両手で包み込んだ。
「まだ、約束は半分しか果たして
いない・・残りは・・」
「残りって?」
「君の国、魔女の国を消さないために、どうするか・・
二人で考えようって」
クラリスは力なく微笑んで言った。
「無理かな・・
でも、そう言ってくれて、
嬉しい・・ありがとう」
二人は向き合って立っていた。
「クラリス、
今の僕には力がないけど、
成人したら必ず君を助ける」
アンバーは父親のように、
なりたくないと思った。
魔女の国は宝石のように美しい。
失いたくない。
クラリスはうつむいた。
その様子を
木の陰で見ていたミエルが
ささやいた。
<アンバー、誓いのキスよ!
クラリスを抱き寄せなさい!>
ミエルの側にいたイーディスが
不思議そうな顔をした。
「いったい、
君は何をやっているんだ?」
ミエルは
イーディスの足を踏みつけた。
「使い魔と主は、
意思を通わせることが
できるじゃない!!
あなたたちはやらないのっ?
それにふたりをくっつけると
言い出したのは、イーディス、
あなたよ!」
アンバーはまるで催眠術にかかったかのように
ミエルの指示に従った。
クラリスの手を取り、引き寄せた。
「誓いのキスだ・・」
アンバーの声は小さく、かすれていた。
ミエルがささやく
<大人のキスよ・・
中途半端はだめっ・・>
イーディスは驚いて、ミエルの顔を見た。
「君はアンバーと・・・!」
「ばかっ!
アンバーはまだ未成年よ。
ちょっと練習したけど」
イーディスの顔が、泣きそうになった。
「練習って・・どこまでなのさ・・俺は君としたいのに」
ミエルは怒って
「それなら、ちゃんと協力してっ!
クラリスに
アンバーを受け入れるように、
あなたから言って!」
イーディスは
いささか納得がいかないような
顔をしたが
<クラリス・・
アンバーが迫ってきたら・・
受け入れるしかないぞ?>
「なに?その微妙な言い方は!!」
ミエルはまたイーディスの足を
踏んづけた。
クラリスは
小高い丘の上に立っていた。
ここからはグスタフ皇国の街が
よく見える。
そして王宮も。
もう少しで暗い闇が落ちる。
ペンダントを返すには、
フクロウを使うのが一番だろう。
彼らは夜目が効く。
アンバーは
ちゃんと約束を果たしてくれた。
イーディスの
あのとろけるような笑顔・・
かなりむかつくが・・!
これも<仮>主としての務めだと思う。
グランビア家のためにも。
私の周りの人が、
幸福になってくれれば、
私も嬉しい。
クラリスは
胸からペンダントをはずした。
ちゃんという事をきく
フクロウを選ばねばならない。
とても大切な物を
運んでもらうのだから・・
クラリスの後ろで
枯れ枝を踏む音がした。
「クラリス・・
まだそれは返さなくていい・・」
アンバーは
ゆっくりとクラリスのほうに
近づいた。
クラリスは少し戸惑いながらも、
アンバーを見て言った。
「だって、
約束を果たしてくれたじゃない。
ありがとう。
私も<仮>主としての務めを果たせたわ」
クラリスはペンダントを、
アンバーに差し出した。
アンバーは
その手を自分の両手で包み込んだ。
「まだ、約束は半分しか果たして
いない・・残りは・・」
「残りって?」
「君の国、魔女の国を消さないために、どうするか・・
二人で考えようって」
クラリスは力なく微笑んで言った。
「無理かな・・
でも、そう言ってくれて、
嬉しい・・ありがとう」
二人は向き合って立っていた。
「クラリス、
今の僕には力がないけど、
成人したら必ず君を助ける」
アンバーは父親のように、
なりたくないと思った。
魔女の国は宝石のように美しい。
失いたくない。
クラリスはうつむいた。
その様子を
木の陰で見ていたミエルが
ささやいた。
<アンバー、誓いのキスよ!
クラリスを抱き寄せなさい!>
ミエルの側にいたイーディスが
不思議そうな顔をした。
「いったい、
君は何をやっているんだ?」
ミエルは
イーディスの足を踏みつけた。
「使い魔と主は、
意思を通わせることが
できるじゃない!!
あなたたちはやらないのっ?
それにふたりをくっつけると
言い出したのは、イーディス、
あなたよ!」
アンバーはまるで催眠術にかかったかのように
ミエルの指示に従った。
クラリスの手を取り、引き寄せた。
「誓いのキスだ・・」
アンバーの声は小さく、かすれていた。
ミエルがささやく
<大人のキスよ・・
中途半端はだめっ・・>
イーディスは驚いて、ミエルの顔を見た。
「君はアンバーと・・・!」
「ばかっ!
アンバーはまだ未成年よ。
ちょっと練習したけど」
イーディスの顔が、泣きそうになった。
「練習って・・どこまでなのさ・・俺は君としたいのに」
ミエルは怒って
「それなら、ちゃんと協力してっ!
クラリスに
アンバーを受け入れるように、
あなたから言って!」
イーディスは
いささか納得がいかないような
顔をしたが
<クラリス・・
アンバーが迫ってきたら・・
受け入れるしかないぞ?>
「なに?その微妙な言い方は!!」
ミエルはまたイーディスの足を
踏んづけた。