今日も君に恋焦がれる
そんなこんなで会社を出る頃には19時を回っていた。


ちょっと前まではあんなに帰る足取りが軽かったのに、今はこんなにも重い。


家になんか永遠に着いてほしくないとさえ思ってしまう。


だけど、現実はそうはいかず…。


あっという間に着いてしまった。


慣れているはずなのに慣れない手つきでドアを開ける。


いつもならヒールを脱ぎ捨てるけど、今日は少しでも時間を稼ぎたくて綺麗に並べた。


ゆっくりリビングに向かうといつもの定位置、ソファに座ってスマホを触る葵くんの姿があった。


なんだかその姿さえも久しぶりで泣けそう。
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