今日も君に恋焦がれる

不幸の始まり

きっと、周りから見たら何も変わらないいつもの七瀬胡桃だろう。


だけど、わたしの心は空っぽ。


葵くんを見る余裕も今はない。


だから、今日初めて葵くんの部署の前を素通りした。


いつもなら一目でも葵くん見たさに足を止めたり、ゆっくり歩いたりしていたけど…今日はそれができなかった。


デスクに着き、仕事の準備をしていると小野ちゃんに話しかけられた。



「おはようございます!ってあれ?今日珍しくメガネですか?」



あ、そうだった。メガネしてたんだった。


夕べ泣きすぎて目が腫れ、コンタクトがうまく入らなかったのだ。
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