となりの紀田くん-season 2-
「父さん…いつかちゃんと帰ってくるよね?」
「どうだろうなぁ…でも、もし帰ってくることが出来たら…その時は…お前が好きになった人に会わせては貰えないだろうか?」
「優亜に?」
「優亜さんって言うのか…。きっとその子が心を閉ざしたお前を変えてくれたんだろ?そんな子を父さんも見ておきたくてな」
そう言って父さんは爽やかな
笑顔をみせる…。
俺も父さんと母さんに
優亜を見てほしい
俺の惚れた女は本当
すげー可愛いんだぞって
自慢してやりたい
「分かった。俺、大学出てちゃんと勉強して、会社継いで…いつか父さんが帰ってきたら…優亜を連れてくよ」
俺も微笑むと父さんは
満足げにニヤリとした
母さんも横でクスクス笑ってる
「ささ!みんなでご飯食べに行きましょう!要ちゃんと昴くんと鮫島さんも!!」
母さんは元気よく手を合わせると
ルンルンうきうきとした感じで
先に社長室を出ていく
そんな母さんの後ろ姿を見て
俺と父さんは顔を見合わせ
またクスクスと笑った。
本当に終わったんだな全て。
いろんな苦難があったけれど
今こうして幸せになれるなら
過去の出来事も懐かしい思い出に
できるよなーーーーーーーーー。