となりの紀田くん-season 2-
「ありがとうございます」
私は素直に受け取りつつも
先輩なんだから気を使わなくても
いいのになぁって思ってしまったが
やはりそれもこの日丸先輩の
良いところなのだろう。
「ねぇ」
私が受け取ったペットボトルの
キャップを開けて飲んでいると
唐突に先輩が話しかけてきた
私は飲むのをやめてキャップを閉めると
「どうしました?」
先輩の方を見て首を傾げる
すると先輩はなんかソワソワして
ちょっと照れくさそうな素振りを見せると
「なんか…さっきのレコーディング…ゆあちゃんに告白されてるみたいで緊張した」
とかいう冗談を抜かしやがった。
本当、日丸先輩はアニメじゃなくて
こちら現実世界でも演技が上手だから
思わず感心してしまう。
「あはは…先輩何言ってんですか!」
私がおちゃらけて返事すると
先輩もへにゃっと笑った
そのタイミングで
「優亜」
私の名前が呼ばれたーーーーー。