となりの紀田くん-season 2-
「昴だな…?」
父さんの発言に俺も要も
生唾をゴクリと飲み込む
「ミチルさん…兄はあの日からずいぶんと長い間、復讐することだけを考えてきました。」
長い沈黙を破ったのは要
要はそのまま言葉を続ける
「復讐に囚われすぎて兄はどんどん自我を失い壊れていきました…見境もなく人を傷つけて、利用して、切り捨てて、そんな兄を見たくないんです!見てられないんです!
助けてあげたいんです!兄の人生を過ぎてしまった過去の為に潰すなんて嫌なんです!解放してあげたいんです!!
その為にはミチルさんの協力が必要なんです!お願いします!!」
要は勢い任せに言い切ると
思いっきり頭を下げた。
父さんはフッと優しい笑みを浮かべ
要の頭を撫でたーーーーーーーーー
「俺が断れるわけないだろう。そんなことで罪滅ぼしになると思っているわけではないけど…協力させてくれないか?」
父さんの言葉に
「ありがとうございます」
要は精一杯の笑顔を向けた。
「父さん…」
今度は俺が真剣な眼差しで
父さんを見つめる
「昴さんが父さんの部下として働いてることを要から聞いた。」
父さんは黙って俺の言葉に
耳を傾けているーーーーーー。