となりの紀田くん-season 2-



「ん?」



「高校生のとき1回ここ来たじゃん?その時、裕也が迷子の男の子助けたの思い出して懐かしいなーって」




私の言葉に一瞬キョトン
として、すぐに思い出したのか



「あー、そういやそんなことあったなー」



と、どうでも良さそうに呟いた。



「もー、反応薄いな!あれでも私、あの時…裕也のこと実は優しい奴じゃんって見直したんだからね?」




私がケラケラ笑いながら言うと
紀田は恥ずかしいのかちょっと
頬を赤くして



「うっせ、ばーか」



そっぽ向いた。
本当こういう子供っぽいとこが
まだまだ残ってるんだよね紀田は。



まあ、可愛いから
いいんだけど。



その後は2人で他愛もない
会話をしながらご飯を食べ
またいくつか乗り物に乗って
気づいたら閉園時間が
迫ってきていた。




「最後1回なんか乗って終わりだね!裕也何乗りたい?」




「あれ」



私の質問に迷いなく
ピシッと指さす紀田



その指の先には観覧車があって…



「最後、観覧車でいーの?」



「うん、来る時も言ったけど…話したいことあるって」




その瞬間
私の心がざわついた。



話って何ーーーーーーーー?
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