となりの紀田くん-season 2-
もしかして結婚しよう…とか?
なーんて淡い期待を持ちつつ
先に観覧車に向かって歩き出した
紀田の後を小走りに追いかける
本当、思い返せば紀田と
出会ってからの高校時代は
波乱万丈な毎日を過ごしたと思う。
まあ、大学と専門時代も
いろいろあったけど…。
そんな思考回路を張り巡らせていると
いつの間にか観覧車前までたどり着き
そんなに人がいなかったのですぐに
ゴンドラに乗ることができた。
「わー!みて!夜だから夜景綺麗だよ!」
徐々にゆっくりと上まで
上がってく観覧車
私はその小さなゴンドラの
窓から目を輝かせて外を
眺めていた
「うーわ、25歳にもなって観覧車ではしゃぐとかマジドン引き」
「はぁ?観覧車は別にいくつになっても関係なくはしゃぎますぅ!」
嫌味ったらしく笑う紀田に
べーっと舌を出すと
また再び窓からの外に
視線を戻す
もーすぐ頂上だな…
なんだか緊張してきた。
「そういえば話って何?」
あまりにソワソワして
なんだか落ち着かないから
思わず自分から問いかけてしまった
「ん、話しね…」
無表情のまま紀田が
立ち上がるとゴンドラが
微かに揺れる
向かい合わせに座ってた
紀田が私の隣にストンと
腰を下ろした
その距離にドキンと
鼓動が逸る
別にキスやそれ以上だって
してないわけではないけど
やっぱり紀田とのこういう
雰囲気はどうしても緊張してしまう。