となりの紀田くん-season 2-
「あのさぁ…」
私の隣にストンと腰を
下ろした紀田が
私の髪を1束掬う
その仕草にすらドキドキして
顔が赤くなってくのがわかる
私は何も言わずにただ
紀田の目を見つめた
「そろそろ一緒に暮らさね?」
無表情だった紀田が
少しだけ頬を赤らめて
フイっとそっぽ向く
一緒に暮らさね…って
同棲しようってことだよね!?
「なんか、何かと一緒にいた方が便利じゃね?…ってか…俺が優亜と一緒にいる時間増やしてぇだけなんだけど…」
ついには耳まで真っ赤に
染めた紀田がごにょごにょと
口ごもりながら話す
なにそれ…めっちゃ嬉しいんだけど。
そうよね、結婚なんてまだ早いよね!!
なんだかんだまだやりたいことあるし
紀田だって仕事が忙しいの分かってる
だったら一緒に暮らして
そんな紀田を少しでも支えてあげたい!
「おい、何とか言えよ」
顔を赤く染めたまま
不安そうな顔をする
紀田に思い切り抱きつく
「嬉しい!!一緒に暮らしたい!!」
紀田の髪から淡いシトラスの
香りが漂う…いい香り。
私、昔から紀田のこの匂いが
すごく大好きなの
あ!変態じゃないからね!?
「はぁ…良かった。なんか黙るから拒否られるかと思ったわ」
心底安心したような紀田に
さらにぎゅっと抱きつく
もう嬉しくて嬉しくてヤバい!
生きてて良かった!!