となりの紀田くん-season 2-




「なぁ、優亜…」



不意に紀田の声色が変わる
あ!まずい!と思った
時にはもう遅い



私をゆっくり引きはがすと
目の前には目を細めて
妖艶に笑う紀田



なんて色っぽいの///
ってそうじゃない!!



ここ観覧車だから!!



「なぁ、そんなに引っ付いて…相変わらず無防備だな、優亜さんは…。」



「ち、違ッ!これは嬉しくてつい!!」




必死の言い訳も虚しく
トロンとした目の紀田が
今度は私に覆いかぶさる



ゴンドラの隅で座った状態のまま
私の股の間に膝をついて窓に手を付き
逃げ場を無くす紀田



私がどうしたものかと
真剣に紀田を見つめて
考えていると



「そんなに見つめて……俺を誘ってんの?」



紀田が勘違いも甚だしい
セリフをサラッと言ってのける。



そうです皆さん!!
忘れてはいませんか!?



彼が生粋の
勘違い妄想性悪変態男
だってことを!!




「は?違うから!///」




「ふーん…説得力ないな、そんな真っ赤な顔で言われても」




そう言って妖艶な笑顔を
崩さない紀田をキッと睨む


睨んだところで
意味ないんだろうけど!!



案の定…紀田は私の睨みなど
意に介さず、そのまま私の
唇にキスを落とした



「んっ…///」



絡み合った舌が
さらに熱を持って
なかなか離してくれない
せいで息が上がる



「あっ…やっ///」



「はぁっ…お前マジ、エロすぎ…」



やっと離れたかと思えば
そのタイミングで地上に到着




「続きは…後でな?」



と私の耳元で囁くと
涼しい顔して先に
ゴンドラから出てく



私はというと
顔を真っ赤にして
拳をワナワナ震わせ




「耳元で破廉恥なこと言うな!ばぁぁぁか!!」




思い切り叫んでいたーーーーーーー。
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