白鳥学園、いきものがかり
01.
過保護な五匹
桃色の花びらがひらひらと私の横を通り抜けた。
少しだけ大きい真新しい制服に身を包み、高鳴る鼓動に深呼吸。
16回目の春が来た。
私は今日から高校生になる。
そんな実感が沸々と湧いてきた。
私立白鳥学園、入学式。
人混みの中、ようやく来れた特等席で名前の書かれた紙を見上げる。
——————雲雀 紬、1年A組。
自分の名前を発見して思った事は、「友達が出来るかな」とか、「友達と離れた」なんかじゃなかった。
良かった…A組だ…!
張り詰めていた緊張が解け、安堵の溜息を吐いた。
A組は一階だけ登ればすぐ目の前が教室。それ以外のクラスになると廊下端の方まで歩かないといけない。
だからこそ、A組でないといけなかった。
「今度こそ…ちゃんと通えたらいいな、」
黒く長い髪が春の風で靡き目を細めた。
今日は凄く調子がいい。
これなら入学式も受けられそう。
ようやく、ここまで身体が強くなれたのだから。
なんとしても通わないと。
私の為…そして大切な幼馴染と一緒に通う為。
その夢がやっと叶いそうだから——————、
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