白鳥学園、いきものがかり



「……あ、の。だから、ルイの、」

「申し訳ございません。プレゼントは事務所の方へお通し願います」



プレゼントじゃないんです…!

何度言っても平行線。
きっとファンだと思われているのかも。

…合ってるけど。


ど、どうしよう?連絡しようにも累の携帯はこの中だし…受付の人に任せようと思っても、全然話聞いてくれないし。


やっぱり、家に置いておいた方が良かった──────…、




「え!?紬さん!?」



ビクッとして、振り返るとそこには見覚えのある男性。

黒髪に黒縁眼鏡とヨレヨレのシャツ。
疲れきった表情を隠し切れていない感じ。



「さ…象山 (きさやま)さん?」




象山 務(きさやまつとむ)、ルイのマネージャーで…象山 加奈恵さん、ヒロのマネージャーの旦那さん。



「どうしてここに?それに…今日は体調が悪いってルイが、」



やっぱり累、私の部屋に来たみたい。



「あの…累が忘れ物をしたので届に…」



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